ひと足先に

散歩の途中、
目に留まったカフェの「桜フェア」の看板。

寒空の下、ピンク色ののぼりがひらひらと揺れていて、
「もうそんな時期かー」と吸い寄せられるように扉を押した。

まだ今年の桜は咲きそうにないけれど、
店内はすっかり春の色。
店員さんも心なしか、いつもより笑顔に見える。

ラテにも、マフィンにも、桜があしらわれていて
「頼んで正解!」とマスクの中で小さく呟く。

ひと足お先に、小さな春を満喫。
店を出ると、ほんの一瞬だけ
春の風を感じた気がした。

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